さて、ここではテストの採点基準の話をします。ここまで散々引っ張っておいて怒られるかもしれませんが、先程のテストの採点は1人ではできません。あなたのお友達もしくはお知り合いの協力が必要です。どなたかそのターゲットの言語ができる方(できればその言語を教えられている方がベスト。無理ならネイティブや帰国子女の方でも構いません)に頼んで、以下の作業をお願いして下さい。
録音したテープを聞いてもらって、あなたの吹き込んだ内容を書き出してもらう
その文章が正しいかどうかを判定してもらう
その文章を和訳してもらう (これはネイティブでない人が良いでしょう)
もう少し具体的に説明すると、例えば英語で音声を吹き込んだ場合、協力していただく方にはテープを聴いていただいて、1)あなたの吹き込んだ英文を書きおこしてもらう。 2)その英文の文法や用法に間違いがないかチェックしてもらう。その上で、 3)その英文を日本語に訳しなおしてもらう、という作業をお願いして下さい。テスト問題を見せる必要はありません。趣旨を説明し、チェックしてもらえれば十分です。
ここで何をしているかは、もうお分かりですよね。先のエントリーで私は、「通訳案内士試験合格に必要な語学力」 は 「瞬間的に」 「自分の考えや与えられた情報の大意を」 「ターゲットとする言語で伝える」 事ができる能力だと書きました。それらの能力を測るために、この作業をお願いしているのです。
この 「瞬間的」 な力というのは、1分間でできた問題数で測れます。10問の短いセンテンスを時間内に訳しきれないようでは、プロの通訳案内士として会話を遣り取りするだけの力がありません。また答えたつもりでも、その内容が間違っていたり、発音や表現が相手に伝わっていなければ目的を達した事にはなりません。つまり 「自分の考えや与えられた情報の大意」 を 「ターゲットとする言語で伝える」 事ができる能力、ですね。これは、1.相手に自分の発言が伝わっているか(発音を含めて)、2.その発言に文法的・語用的な誤りはないか、3.訳して相手に伝えた内容と、自分が伝えなければならなかった内容に差異はないか、といった事をみればわかります。
作業していただいた内容が戻ってきたら、早速採点してみましょう。以下の3つのポイントを基準に、正解・不正解を判定します。
1. 書き出してもらった文章とあなたの発言に差異はないか。
2. その文章に文法的な間違いはなかったか(〇か×かで)。
3. 問題文と、訳されて戻ってきた文章に大きな違いはないか。
この条件のうち2つ以上満たしていれば、その問題を正解としてください。問題文と訳との違いをどこまで許容できるかなどについては、個人の判断でしていただいて結構です。
その結果をもとにレベルを判定します。合格基準は
とします。結構求められる正答率が高いように思われるかもしれませんが、最初の2問はサンプルテストと一緒でしたから、それ程難しくはなかったはずです。
いかがだったでしょうか。
繰り返しになりますが、合格基準に達していなかった人は、まず語学力をつける事をお勧めします。通訳案内士を目指すには、まだまだ基礎的な語学力足りないと思います。勉強を積んで自信がついたら、またここのページに戻ってきて、試験対策に取り掛かってください。もちろんその事を前提とした上でなら、エントリーを読み進めていっていただいて構いません。
既にレベルに達していると判定された人は、このあとのエントリーをどんどん読み進めていってください。このサイトの情報を元にして試験対策を始めてもいいですし、方法論や必要なものだけを確認して、試験の2ヶ月前まで放置しておいても大丈夫です(但し語学力が錆びつかないようにはしておいて下さい)。
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