分析から見えてくるもの

大雪山国立公園

さて、みなさん。結果はいかがだったでしょうか。

このエントリーを読まれている方は、既に過去問を解いてグラフを作られたことだと思います。ちなみに前のエントリーにサンプルで載せたグラフは、私の1回目の成績です。あわてて見返したりしないでくださいね。あまり自慢できるような成績ではありませんので(泣)。

それはともかく、みなさん実際に問題を解いてみた感触はどうだったでしょうか。落ち込まれた方もいらっしゃるかもしれませんし、逆に思ったよりは簡単だったと自信をつけた方もいらっしゃるでしょう。みなさんの手ごたえがどうだったか私にはわかりませんが、その感覚を忘れないようにしてください。それが今後の対策を決めていくうえで大きな指針になるからです。

私の場合を申しますと、「地理」 が思ったより簡単だと感じた(19年度の試験では大きく取りこぼしてしまいましたが)のと、「歴史」 が厳しいなあ、というのが正直な印象でした。マークシートなので細かな人の名前などは書けなくても対応できるな、と思ったのは明るい材料でしたが、逆に、個々には合格基準点を突破している科目があっても3科目全てで合格基準点に達した事がなかったのが、1番の不安材料でした。

ちなみにJNTO(日本政府観光局)は、合格の基準点を60点としています。実際はそこから調整されるので、あまり気にする必要はありませんが、過去の例から見ると、合格最低点が基準点より上に調整された事はないようですので、60点以上取れていれば全く問題なしと見ていいでしょう。

しかし、60点に達していなかった人も、これだけは覚えておいてください。

先程も述べたように、通訳案内士試験では年度によって問題の難易度にバラツキがあるので、受験者の平均点を基に合格基準点の調整を行います。この調整によって合否が左右される事が往々にしてあるのです。

例えば平成20年(昨年)度の試験を例に取りますと、合格基準点(=合格最低点)は 「地理」 が55点、「一般常識」 は58点、「歴史」 に到っては43点前後だったと報告されています。平成19年度の 「地理」 と 「歴史」 も10点程度の調整が入り、実際の合格基準点は50点ぐらいだったようです。※1 

これはすごい数字です。考えてもみてください。マークシートのテスト(基本は5択だが、全てではない)の合格点が40点とか50点ですよ。全て勘で答えても10点や15点は取れるわけですから、実力で25点〜40点埋める事ができれば、充分合格できる可能性があるわけです。加えて、先程の過去問で 「60点に達してない(涙)」 とガッカリしていた人の中にも、実際は合格基準点を越えていたという人がたくさんいたわけです。 

それらを考え合わせると、通訳案内士試験の邦文試験の性格が何となくわかってきたような気がしませんか? ちょっとまとめてみましょう。

■ 大学入試などと違い、高得点を取れば取るほどよいというわけではない。むしろ3科目共に合格基準点に達するという事の方が大切である。

■ 「高得点でなくてもよい」 ということは、言い換えれば、出題範囲の隅から隅までをカバーしなくてもよい、という事でもある。

■ マークシートなので、人名や文化遺産などの名前は書けなくてもよい(極端な言い方をすれば、読みを間違っていても試験には影響しない)。※2 勘で答えて当ることだってもちろんある。

■ 合格基準点が調整されるので、受験者全員にとって難しかった問題は、できなくてもあまり影響がない。

いかがでしょうか。実際に問題を解いてみられたあなたにはわかると思いますが、問題の中には簡単な問題もあれば、全く手をつけられない問題もあったと思います。また、国立公園や温泉の問題など通訳案内士試験を受ける前には出合ったことのないようなものもあるけれども、そういった問題ばかりでもない、という事もわかっているでしょう。それらの事と上記の通訳案内士試験邦文試験の性格を考えあわせると、引き出せる結論は1つです。

邦文試験の準備は短期間で可能です。


※1 JNTOが通訳案内士試験の結果の詳細を公表していないので、これらの数字は通訳案内士試験対策を行っている学校やネット上で流れている情報が基になっています。多少信憑性に欠ける部分があるかもしれませんが、大きくは外れていないと推測されます。
※2 誤解しないでいただきたいのは、その事が良いと言ってるわけではありません。もちろん正しい知識を得るのが最終的な目標ですが、試験に通るという事だけを考えれば必ずしも必要ないと言っているだけです

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まずは過去問から

釧路湿原国立公園

さて、邦文試験に話題を移します。

通訳案内士試験に邦文試験(地理・歴史・一般常識)があることは知られていますが、この邦文試験があることが、一部の人にとってこの試験を受けるのに二の足を踏む原因になっているとされています。しかも昔は語学の試験(筆記・面接)が通った人だけに課されていたのですが、いまはこの邦文試験をパスしなければ、2次試験(面接)に進む事もできません。

果たしてこの邦文試験、どれぐらい難しいのでしょうか。

インターネットで流れている情報を見てみても何とも判断しかねます。「高校レベルでは到底対応できない」 という人もいれば、「中学の教科書を復習しただけで通りました」 と様々です。確かに大学受験で 「地理」 や 「日本史」 を選択した人にはアドバンテージがありそうですが、かと言って、大学入試で温泉や国立公園の問題が出たなどとは聞いたこともないし、本当のところはどうなのでしょう。

。。。などと、あなたは考えていませんか?

邦文試験を受けた事もないのに 「何だか難しそう」 と不安に感じているとしたら、それはきっとあなたが中学や高校で 「地理」 や 「日本史」 に苦しんだ経験があるからに違いありません。加えてしばらく受験から遠ざかっていれば、更に不安な気持ちをかきたてられているのでしょう。

しかし実際のところ、こういう事は考えてみても始まらないのです。

語学ですと色々と資格やテストがあり、またみなさん自身も受けていらっしゃるでしょうから、自分の能力について多少なりとも客観的に判断する材料があります。しかし 「地理」 や 「日本史」 といったものについては、よほどのマニアか仕事で必要な方でもない限り、勉強を続けていたり検定試験などを受けらている方はいないでしょう。

言い換えると、あなたが邦文試験にどれだけ対応できるかは、実際に過去問を解いてみなければわからないのです。実際に解いてみると、思っていたより簡単かもしれませんし、たとえ充分な得点がとれなくても、どのような対策をすればよいか具体的に考える事ができます。ですので、邦文試験に関しては、取りあえず心配するのはやめて、まずは過去問を解く事から始めて下さい。

問題自体は、ハロー通訳アカデミーやCELなど通訳案内士試験の講座を展開している学校のHPからダウンロードする事ができます。JNTO(日本政府観光局)のHPからもダウンロードできるのですが、問題用紙に解答が書き込まれており、勉強するには使いにくく、あまりお勧めできません。既に来年度の受験を決めている方は、法学学院から出ている 『通訳ガイド 地理・歴史・一般常識 過去問解説』 などを買われてもよいと思いますが、いずれにせよ、ここ4・5年ほどの邦文試験の過去問題を手に入れてください。

用意できたら早速問題を解いていただきたいのですが、今回チャレンジするにあたって、以下の注意事項を必ず守ってください。

時計 本試験では1科目あたり40分ですが、今回は20分以内でお願いします。

時計 年度毎ではなく、教科ごとにまとめてしてください。

時計 答え合わせは正誤のチェックのみで、解説を読んだり、調べたりしないでください。

時計 得点を記録し、グラフを作成してください。

ちなみにグラフはエクセルなどを使えば、簡単に作る事ができます(下図は一例)。もちろん手書きでも構いません。いずれにせよ机の横に貼り出せる程度の大きさで作っていただければ結構です。

通訳案内士試験

では、注意事項(特に3番目は厳守)を守って、過去問にチャレンジしてください。1回20分で進めれば、1教科(5年分)あたり答え合せを含めても2時間程で終わります。休みの日に少し頑張れば、1日で3教科全てを終わらせる事も可能でしょう。

では、ご検討を祈ります。過去問が終わってグラフが書けたら、次のエントリーに進んでください。

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