準備に必要なことは?

中部山岳国立公園

先のエントリーでは、2次試験での課題について説明しました。繰り返しになりますが、語学のレベルがある一定以上に達している人にとって、面接試験での最大の課題は、日本の事象について説明するだけの知識がないことと、説明自体の経験がないことです。では、それらの課題をクリアするためには、どうしたらよいのでしょうか。ここでは、対策校の模擬面接と市販されている教材について検証します。

通訳案内士試験の2次対策と言うと、大抵の人は2つの事を思い浮かべます。それは、1)通訳案内士試験対策を実施している学校で模擬面接を受ける事、2)日本の事象について説明された参考書を丸暗記するという事です。しかし、それらの効果については、私は大きな疑問があるように感じられてなりません。

まず、1)の模擬面接ですが、大抵の学校では40〜50分の授業を外国人の講師の方が見てくださるようです。実際の試験のような面談のシチュエーションで、過去に使われた問題かそれに類似した質問をされ、受講者がそれに答えるという約10分ほどのセッションを何度か繰り返します。そのセッションの合間合間で気づいた事をアドバイスしてもらう、というのが一般的なようです。※1

こういった講座の宣伝には、「この講座の受講なくして合格なし!」、みたいな事が大きく謳われています。しかし模擬面接授業が50分だったとして、そのうちの大半の時間は生徒が質問に答えているわけです。つまり指導にあてられる時間はほんの10分ほど。それだけの時間で、受講者みんなの英語力が見違えるように変わる、などという夢のような事が本当にあるとは到底思えません。

そんなふうに見れるようになるとわかってくると思いますが、この授業で受講者が得られるものは、大きく下の2つしかありません。

2次試験受験者の多くが受けるようなので、自分も受けておくことで安心感を得られる
外国人の講師の方に褒めてもらう事で、自信が得られる

もちろん、テストの形式に慣れることや自分では気付かなかった点を指摘してもらえるといった利点もあるでしょう。しかし宣伝などに惑わされて盲目的に受講するのはやめた方がいいと思います。あなたがお金に使い方に注意しているなら、自分が払ったお金に対して何を対価として得られるか、という事を考えるはずです。対策校はあの手この手で心理的な揺さぶりをかけてきますけれども、ここは基本に立ち返って、本当にこの講座があなたの必要としているものを提供してくれるかどうかを考えてみてください。その上で受講するかどうかを決めましょう。

参考書の丸暗記についても私は否定的です。多くの人が深く考える事もなく、受験者の多くがしているようなので必要だと思いこんでいます。このあと詳しく説明しますが、残念ながら市販の試験対策用参考書を丸暗記しても、あまり試験の助けにはなりません。わざわざ自分から合格のハードルを上げているようなものです。

誤解しないでいただきたいのは、暗記そのものが悪いと言っているのではありません。特に語学教育(母国語を含む)においては、ある程度のパターンや表現の暗記は必須だと私は考えます。但し、何を何の為に暗記するかは慎重に考えなければなりません。受験する人はみな、その学習能力にも時間にも限りがあります。ですので必要でないものや、実際に使う事のないものを丸暗記する必要はないのです。

たとえば私の読んだ参考書では、説明の信憑性を疑うようなものが少なからずありました。実際に調べてみても諸説があり、現時点では本当のことはわかっていません。このように真偽の程がわからないものを、わざわざ覚えるだけの意味はあるのでしょうか。

別の例を挙げましょう。その参考書には 「自動販売機」 の説明が載っていました。先程の話とは違い、その説明自体に疑問はありません。しかし、私にはその説明を実際に使う場面が想像できませんでした。まず日本に旅行にこられるような方(それだけの経済的余裕がある方)が 「自動販売機」 を知らないはずはありません。もちろん会話の中で自動販売機の事が話題になることはありえます。たとえば

旅行者: 昨日秋葉原に行った時、自動販売機でおでんを買っている人を見ましたよ。

案内士: そうですか。私は買ったことないですけど、確かに買ってる人いますね。

旅行者: 日本では自動販売機で色んなものが買えるんですね。

案内士: ええ、最近ではストッキングやハンドバッグなども買えますよ。


これなどは充分ありえる会話です。しかし、それでも 「自動販売機」 そのものの説明をする必要ないですよね。そうなると 「自動販売機」 の説明を丸暗記する理由がないのです。そのように、どう考えても不必要なものがあまりにも多く見られます。

(次のエントリーに続く)


※1 どのようなセッションかをムービーで公開している学校もあるので、興味がある方は見てみるといいでしょう。

曇り 通訳案内士試験: 「試験に出るパターン」 の詳細はこちら > >

トップページ|語学力判定テスト|判定テストの目的|テストの採点基準|まずは過去問から|分析から見えてくるもの|結果が出る勉強法|過去問を上手に使おう|求められるレベル|勉強すべき事柄|傾向をどう読むか|対策本は買うべきか|使える! 書込み式地図ドリル|歴史対策はこの3冊で|一般常識は地理と歴史|確認テストに挑戦(地理編)|確認テストに挑戦(歴史編)|確認テストに挑戦(一般常識編)|特化した対策は必要?|2次試験の課題|試験に向けた基礎練習|クライアントと会話|合格の為の3つのヒント|フェイルセーフ|申込み 〜 1次試験合格まで|2次試験 〜 合格発表|免許申請から交付まで|どこの団体に所属するか|発音についての一考察|記憶力が悪いと嘆く人|忘れないようにする工夫|よくある質問|お役立ちリンク集|地域限定通訳案内士試験|通訳案内士登録申請先一覧|
calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< April 2017 >>
latest entries
categories
recent comment
recent trackback
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM